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  • Down's Town Project

子供の感覚を信じる

更新日:2021年12月1日


皆さまこんにちは〜。

朝晩冷える日が増えてきましたね。

体調を崩されたりしていないでしょうか。


さて、ここ最近ダウン症の親御さんからのご相談が増えています。

今はコロナが少し落ち着いていますが、これまでの長いコロナ禍でお母さんがご自身のお友達を作れないまま育児に疲弊されているケースが目立ち、心配です。


ちょうど今、就学前診断やそれに伴うあれこれが始まって、

気ぜわしくなったり、

焦ったり、不安を感じられる季節かも知れません。

どうかひとりで抱え込まないでくださいね。

つい先日もダウン症のお子さんのお母さまからお電話を頂きました。

「FBを見て、思わず電話しちゃいました。」

お声に元気がないな、と感じながら色々とお話を伺ううちに、

ご主人の転勤に伴ってお引越しをされた後、

コロナ禍で外に出られず、

ママ友を作る機会が全く無く、

ご両親も頼れず、

ご主人もお忙しくて、

この2年の間、ほぼワンオペでダウン症のお子さんとご兄弟を育てていらしたことが分かりました。

こういうケース、全国で沢山あるとしたら大変なことだと思うと同時に、残念ながら沢山あるだろうと容易に想像がつきました。


とくにお子様が基礎疾患を持たれている場合は、外出もままならない日々だったと思います。

何度も

「もう疲れました。これ以上頑張れません。」と仰るその方に

「いま一番どうされたいですか?」とお尋ねしたら

「ママ友が欲しいです。」

とのお返事。

思わず、

「私で良かったらママ友になりますけど?!」

と言ってしまった私。

「えー!いいんですかー!」

と驚かれましたが、喜んでもいただけました。

お互い、上も下も子供の年齢が同じだった事もあり、その後LINEで繋がって

「いつか佐藤さんとお会いできる日を励みに頑張ります!」

とメッセージをいただきました。

こういう時、細くても必ずどこかに繋がっていることが本当に大切だと思います。


さて、志摩の海で休憩を挟みつつ。


私がなぜそこまでお会いしたことのないお母さんを心配してしまうかというと、自分自身も最初の出産の後、育児ノイローゼを経験したからかも知れません。


少し我が子の話になってしまい恐縮ですが、

うちの上のお兄ちゃんは生まれた時からマルチの食物アレルギー持ちでした。

タンパク質が全部ダメという、どうしたらいいか分からないレベル。

お米も味噌もお醤油もダメと知った時には愕然としました。

私がごはんとお味噌汁を飲んで授乳すると、たちまち息子の顔に発疹が出て、ギャン泣き、嘔吐を繰り返す日々。

病院に行くたび全身に薬を湿布して、包帯でぐるぐる巻きにされる息子。

帰り道はミイラを抱いているようで、すれ違いざまに知らないおばさんに

「こんな小さな子に火傷をさせて!」と怒られたことも一度ではなく。

そりゃそう見えるよね、と反論する元気もなく小声で謝ってやり過ごしていました。

そんな時、同じ経験をされている仲間と出会いたい、と毎日思っていました。

ただただ、この状況をグチり合える人が欲しい、大人と喋りたい、と。

ご飯を食べられないような子を産んだ自分を責め、いっそのこと一緒に死んだ方が楽じゃないかとさえ思う日々でした。

気づけば産後、あっという間に15キロ痩せていました。


そんな私を救い出してくれたのは三重で出会った今の主治医。

東京でどの病院へ行っても

「母乳から成分移行するというデータはありません。このままだとお母さんが栄養失調になるのでお肉もお魚も牛乳も摂ってください。」

と指導されていたのですが、どう考えても移行してる…。

私がアレルゲンを摂取した後におっぱいをあげると、激しく嘔吐する息子。


その事を今の主治医に伝えたとき、初めて

「お母さんがそう感じるならそうかも。小児アレルギーに関してはお母さんの観察力に勝るものはないんです。お母さんの感覚を信じてええんよ。私はこの子を治したいし、お母さんも救いたい。だから協力してください。何かあったら夜中でも電話してね。」

と言って下さいました。

あの日の事を私は一生忘れることがないと思います。

教えていただいた携帯電話はどんなお守りよりも心強く、

ありがたかったです。

連絡をしたのはこれまでに一度だけですが、それでも何かあった時に連絡してもいいよ、と言って貰うことがどれほど救いになるか、

私自身、身をもって知っているだけに、アトリエもそんな場所で在れたら、といつも思っています。


そしてその時先生に言っていただいた

「お母さんの感覚を信じてええんよ。」

という言葉が、当時の私には本当にありがたかったです。

全て手探り、情報が少ない中で無我夢中でアレルギーっ子を育てながら不安だらけだった私の背中をぐいっと押してくれたあの言葉。



話がずいぶん逸れましたが、

長年ダウン症の方と共に過ごしてきて、いつも感じていたことがあります。

それは「ダウン症の人達は自分の命の守り方をよく分かっている」ということ。

これ以上無理はしないよ、出来ないよ、というラインを分かっていて、周りの人が気をつけていれば、必ずそのサインはどこかに出ています。

とてもシンプルに、分かりやすく。

ただそのサインを出した時に、周囲の人たちが

「もっと頑張れば出来る!」と

期待という名のプレッシャーをかけた時、そのサインは引っ込んでしまいます。

まるでイソギンチャクを触った時のように、素早く。


それはみんなが優しいから、に尽きると思っています。

自分が拒絶したら家族が困る、

家族が困る顔は見たくない、

じゃあ頑張らなくちゃ。

これはダウン症の人たちに共通して見られる気遣いの行動であり、

彼らの弱さと言えるかも知れません。


残念ながらその先に待っているものは、ストレスからくる様々な精神疾患を抱え大変な生活になるケースを私たちはたくさん目の当たりにしてきました。

でもなかなか情報として出ていません。

頑張って成果が出たケースはたくさん表に出てきますが、

頑張った後に心を壊してしまったケースは隠れがちです。


とは言え、私たちは決して怖がらせたいわけじゃなくて、

そうならない為に決して本人に無理をさせないでくださいね、

という、とっても単純な事をお伝えしたいだけです。

「どこからが無理なんでしょうか」というご質問もよく頂きますが、

そのラインは一人ひとり違います。

でも、彼らは自分で分かっています。

ここからは無理だよ、という事を。


迷われた時は、お子さんの感覚を信じてあげてください。

甘やかしすぎじゃないか、とか、

大きくなった時に苦労しない為に、とか、

大人の思いを一旦ぜーんぶ外して、

本人は喜んでるかな?

という見方をして見てあげていただければと思います。


一度壊れた心はなかなか元に戻りません。

少しの無理で一生笑えなくなるより、

ちょっとサボって一生笑って元気にいてほしい。

それが私の心からの願いです。


どうかお母さんも、お子さんも頑張りすぎないでくださいね。


最後にもう1枚、志摩の夕陽を。





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